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Scavenging Drain Analysis (SDA)
シリンダ注油量低減によるコスト削減と低温腐食の防止

Scavenging Drain Analysis (SDA) とは
Scavenging Drain Analysis(SDA) は、スカベンジングドレンやシステム油の分析を実施することにより、シリンダドレンに含まれる鉄分(Fe)や残留アルカリ量(BN)を推定、ピストンリングやシリンダライナの摩耗を数値化及びビジュアル化することが可能な分析サービスです。

  • Scavenging Drain Analysisを実施することにより、シリンダライナの異常摩耗、ブローバイ(吹き抜け)、低温腐食を含む機関異常の兆候を数値的 / 視覚的に把握、本船の安全運航に寄与します。
  • シリンダ注油率の最適化、シリンダライナ、ピストンリングの異常摩耗防止による機関部品の長寿命化により、コストの削減が図れます。
  • スカベンジングドレン中のシステム油混入割合からスタフィングリングの気密性能を確認、システム油の汚損防止に繋がります。
SDA実施によるメリット

1.低温腐食の早期発見
シリンダライナやピストンリングでは、排気ガスに含まれる硫黄分が水と反応することで発生するH2SO4(硫酸)により低温腐食が発生します。近年、減速運航や機関の高出力化による筒内環境の変化により、低温腐食のリスクが増加しています。

シリンダライナの状態

正常時

低温腐食発生時

分析結果
シリンダドレン中の鉄分が高い シリンダドレン中のBNが低い

異常の兆候
シリンダライナ、ピストンリングの摩耗が多い シリンダ油の持つ酸中和能力が減衰

低温腐食の兆候を早期に発見

 

2. SDAによるシリンダ油消費量削減効果
ピストンリング、シリンダライナの異常摩耗防止のため、多くの船舶においてシリンダ注油率を高く設定する傾向にあります。シリンダ注油率が過多である場合、SDAを行うことによりピストンリング、シリンダライナの状態を把握しながら、シリンダ注油率の削減が可能です。

SDAによるシリンダ油消費量削減効果

分析結果
シリンダドレン中の鉄分が低い シリンダドレン中のBNが高い

予想される状態
シリンダライナ、ピストンリングの摩耗が少ない シリンダ油の持つ酸中和能力に余力がある

シリンダ注油率を安全に低減可能
(シリンダ油消費量の削減)

 

SDA実施によるシリンダ油消費量削減効果試算例
航海日数: 200日/年
年間平均出力: 10,180kW
シリンダ油密度: 0.9316g/㎤
シリンダ注油率: 1.40g/kWh
シリンダ油価格: US$1.30/ltrs
為替: US$1.00/JPY 112
73,432 ltrs / 年
(年間のシリンダ油消費量)

シリンダ注油率を
1.40g/kWh⇒1.20g/kWhに
下げたとすると...

62,942 ltrs / 年
(年間のシリンダ油消費量)

10,490 ltrs / 年
(シリンダ油削減量)

 

10,490 ltrs (シリンダ油削減量) ×US$1.30/ltr (シリンダ油価格) =  US$13,637 / 年 (コスト削減)

Scavenging Drain Analysis (SDA) を実施することによりシリンダ注油率を最適化。
シリンダ油消費量の削減や、シリンダライナ、ピストンリングの長寿命化によるコスト削減に繋がります。