日本油化工業 » 製品 » 燃料油添加剤 » 生成スラッジ抑制剤
製品名 |
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荷姿 |
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用途 |
2020年適合燃料油(VLSFO)の単独・ |
効果 |
常用使用により、2020年適合燃料油(VLSFO)特有の |
製品名 |
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荷姿 |
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用途 |
スラッジ抑制・分散 |
効果 |
重油の長期保存、加熱、異種油混合による |
VLSFOは混合時の安定性が悪くなり、特有のスラッジ(アスファルテンやパラフィン・ワックス原因スラッジ)が生じる恐れがあります。従来の高硫黄燃料同様、発生するスラッジについては、より強力に抑制させてトラブル(FOタンク汚損、ストレーナ閉塞や清浄機汚損など)を予防する必要があります。
また、環境負荷低減のためより効率よく燃料油を使用することも必要とされています。
Yunic 800Ecoは、VLSFOから生じるスラッジを効果的に抑制し、安定性悪化によるスラッジトラブル予防だけではなく、同時に燃焼改善を実現することによりCO2・燃費節減に寄与します。
Yunic800Ecoの燃焼改善(*1)による燃費削減効果は最大約1.4%(*2)です。
さらに、従来製品Yunic 800VLS に比べてスラッジ抑制力が強化(*3)されています。
(*1)陸上の実験用舶用2サイクル機関による実証試験
(*2) VLSFOの性状や、着火・燃焼性により値は変わります
(*3) Yunic 800VLS比較で約20%改善(実燃料油にてラボ評価)
標準添加率は VLSFOに対して1/8000です。
補油前の燃料油貯蔵タンクに事前に投入することで効果的に適合油と混合することが可能です。
ストレーナや清浄機の汚損の状態により、添加率は1/5000~1/10000間で増減して下さい。
適合油の追い積み時や切り換え時に安定性不良が認められた時は、添加量を1/2000まで増やして下さい。
陸上の実験用舶用2サイクル機関による燃焼試験結果(燃費削減効果:最大 約1.4%)
VLSFOを用いたスラッジ抑制効果(50例以上の平均値) (スラッジ抑制効果は従来製品に比べ約20%改善)
ユニック 800VLS(現行ユニック800Ecoの前身)は、2020年1月1日より強化される一般海域での舶用燃料油硫黄分規制に適合する硫黄分0.5%以下の燃料油(VLSFO)から生じるスラッジの生成を効果的に抑制して、VLSFOの安定性悪化によるスラッジトラブル対策に貢献できる燃料油添加剤です。ユニック 555Dによって培ったスラッジ対策のノウハウをもとに、2019年5月新規製品化をしました。
VLSFOは、安定性が悪い場合、特有のスラッジ(アスファルテンスラッジおよび、ワックス原因のスラッジ)が生じる恐れがあります。FOタンク汚損、ストレーナ閉塞や清浄機汚損などのスラッジトラブルを引き起こさないためには、スラッジ発生をより強力に抑制させる安全対策が必要です(スラッジは異種油の混合時だけでなく単独でもスラッジが生じる場合があります)。
一方、市場に供給された適合油を使用するユーザからの情報やそれらサンプルの分析から、スポットテスト評価で安定性に問題ないとされる適合油を使用してもストレーナ、清浄機においてスラッジが捕捉・堆積したといった不具合例が認められているのが実情です(2021年1月時点、当社調べ)。
VLSFOの混合安定性(注1)に問題がある場合
(底部にVLSFO特有のスラッジが生成、堆積)
VLSFOにユニック800VLSを添加することでスラッジ生成を抑制して、スラッジトラブル回避に貢献します。また、添加していなかったことによるスラッジトラブル発生後と比べて、スラッジ処理の手間や費用の削減などコスト面でも効果が期待できます。
トラブル回避のための使用方法は、安定性不良時に添加する緊急使用および低添加率で常用して恒常的にスラッジトラブル保全をする方法があります。詳しい方法は、次の使用方法をご覧ください。
(注1)2種以上の異なる燃料油を混合した際にスラッジが発生する可能性
Yunic800Ecoの使用方法については、低添加率で常用することで一定のスラッジ生成を抑制し、燃焼改善による燃費節減効果を得ることができる"トラブル予防および燃費節減のための常用使用"と、異なる補油地のVLSFOの追い積み時や切り換え時に安定性不良が認められた時に緊急使用する"安定性トラブル発生時対応の緊急使用"があります。
"VLSFOの特徴"にも記載の通り、VLSFOの性状が多様化している背景もありスラッジトラブルに対する保全が必要と考えられます。
トラブル予防および燃費節減のための常用使用
発生が予見しにくいスラッジによる清浄機や燃料フィルタの汚損やトラブルに対しては、ユニック800Ecoを低添加率で恒常的に使用することで一定の予防効果が期待できます。
常用使用の場合、添加率は1/8,000を推奨いたします。(※①)
添加剤を補油前のストレージタンクに事前に投入することで効果的に適合油と混合することが可能です。
なお、ラボ試験では50~60%程度のスラッジ抑制効果が得られました。
安定性トラブル発生時対応の緊急使用
異なる補油地のVLSFO追い積み時や、船内のタンク切り換え時など混合安定性不良が認められた場合(スポットテストの評価が3以上)にはより重大なスラッジトラブルが懸念されます。
安定性トラブル発生時(緊急時)の場合、添加率は1/2,000を推奨いたします。(※②)
添加剤の投入場所は、追い積み時であればストレージタンクに、切り替え時にセットリングタンクやサービスタンクで混ざるようであれば、セットリングタンクを推奨します(セットリングタンクへ通じるストレーナエア抜きからの投入やサウンディングパイプからの投入)。
また補油したVLSFOの単独でのスポットテストの評価が3以上の時も同様に重大なスラッジトラブルが懸念されますので、補油時点で安定性が悪いと確認された場合には、ストレージタンクへの添加率1/2,000での添加を推奨いたします。
緊急使用時の添加率の場合、常用使用時の添加率より高いスラッジ抑制効果を得ることができます。
※① 添加率 1/8,000 (適合油1トンに対して、「ユニック 800Eco」を0.125リットル添加)
※② 添加率 1/2,000 (適合油1トンに対して、「ユニック 800Eco」を0.5リットル添加)
VLSFOなど重油の安定性(単独・混合時や、加熱・長期保管時に対する安定性)の確認は、当社オイルテスターの"Spot checker(スポットチェッカー)"にて容易に行うことが可能です。スポットテストでの評価が良好でない場合(例:スポット判定3以上)は、安定性が悪いと判断されるとともに、スラッジトラブルの懸念があるため、ユニック 800Ecoの添加を推奨いたします。
当社では、スポットテストの判定やユニック 800Eco添加要否の確認、VLSFOをはじめ各種燃料油の分析など技術的なサービス・アドバイスを行っておりますので、これらについて興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせ下さい。
ユニック 800Ecoは、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)の鑑定書を取得しました。
(鑑定書を見る)
C重油中には元々アスファルテンと呼ばれる成分が含まれていますが、これはC重油の主成分であるパラフィン系炭化水素(炭素に水素が飽和量結合している油)には溶けない性質の物質です。それが重油中では「アスファルテンとパラフィン系炭化水素との中間の性質を持つ物質」に覆われて分散していますが、加熱や異種油との混合によってこの覆っている物質が除去されると、アスファルテンは重油から析出して会合し、スラッジとなって沈降します。
※アスファルテンの定義; ベンゼンに可溶でn-ヘプタンには不溶な物質
ユニック555Dの有無によるスラッジ沈殿の比較
(ユニック555Dの添加によりスラッジが沈殿せずに分散された状態を保っています。)
※余談ですが、上図右のポルフィリンは、動物の血液中のヘモグロビンや植物の葉緑素のクロロフィルの活性中心物質で、石油中からポルフィリンが見出されることから石油が動植物由来であるとする説もあります。4つのN(窒素)に囲まれたM(金属)は、ヘモグロビンでは鉄、クロロフィルではマグネシウムですが、重油中ではしばしばバナジウムとなっています。バナジウムは融点の低い金属で、重油に起因する燃焼障害の元になっています。
(→ユニック 600S-Ⅱのページ参照)
ユニック 555Dの成分は、アスファルテンを燃料油中に微細に分散させる「中間物質」の働きをします。即ち、ユニック 555Dの添加は、加熱や異種油混合によって失われる「中間物質」を補填することになります。アスファルテンの析出、スラッジ化の防止は、ストレーナの閉塞を防ぐのみならず、アスファルテンをスラッジとしてロスせずに燃料として使い切ることにより燃費の向上につながります。もちろん燃料タンクを清浄に保つことにもなります。
船 種 |
:外航コンテナ船 |
使用燃料油 |
:C重油(主に380cSt) |
タンク容積 |
:900m³ |
使用期間 |
:7年8ヶ月 |
タンク掃除 |
:未実施 |
これらの相乗効果により燃費向上・改善率は平均約3%になります。
燃料油のすべてを効率良く燃焼させて、高い燃費向上・改善効果を発揮します。
燃費節減についてご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせ下さい。