日本油化工業 » 製品 » 冷却水系統防錆剤
製品名 |
Yuniprot PC-100L |
荷姿 |
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用途 |
冷却水用防食剤 |
効果 |
鋳鉄・鋼・銅に対して優れた防錆効果を発揮します。 |
水溶液中の錆は右図のように発生します。
一般的に金属面の防食方法には以下があります。
1:塗装やメッキの処理で皮膜を形成する。
2:防錆剤による比較的安定な皮膜
(酸化皮膜、沈殿皮膜、吸着皮膜など)を形成する。
これらは金属面に防食皮膜を形成することによって腐食環境から保護しています(錆生成過程の反応を抑制しています)。
船舶エンジンの冷却水系統では、系統内の全てに塗装・メッキ処理を施すことは現実的ではありませんので、防錆剤により金属表面に防食皮膜を形成し防食します。
防食剤はさびを抑制する作用機構によって次表のように分類できます。
防食剤の分類 |
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酸化皮膜型 |
沈殿皮膜型 |
吸着皮膜型 |
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防食試薬 |
亜硝酸塩 |
水中イオン型 金属イオン型 |
アミン類 |
防食皮膜 |
表面を酸化させる |
水中イオン型 金属イオン型 |
極性基 |
防食皮膜 |
その他、水酸化ナトリウム、ケイ酸塩、ほう酸塩、ヒドラジン、アクリル酸系ポリマー等が使用されています。
当社の防錆剤は長年利用されてきた実績と積み重ねてきたデータによって冷却水系統のトラブルを防止し、定期的な分析によってエンジンの安全運転をサポートします。現在、多くの舶用ディーゼルエンジンに使用されています。
専用の簡易濃度測定キットによって船上で濃度管理ができます。
もし、亜硝酸塩主成分の防食剤の消費が激しい場合は「ニトロバクター」の繁殖が疑われますのでご相談ください。
☆ニトロバクターってなに?
冷却水系統の防食剤には亜硝酸塩(亜硝酸イオン:NO2-)がよく使用されています。この亜硝酸イオンをえさにして生きている微生物がニトロバクターです。
彼らが冷却水系統内で繁殖にすると下記のトラブルを引き起こします。
ニトロバクターは環境微生物である硝化細菌の一種です。
硝化細菌は本来土壌系統、河川に生息しており、アンモニウムイオン(NH4+)を亜硝酸イオン(NO2-)に、または、亜硝酸イオン(NO2-)を硝酸イオン(NO3-)に酸化する際にエネルギーを得て増殖します。
この場合、前者がアンモニア酸化細菌(ニトロソモナス:Nitrosomonas)、後者が亜硝酸酸化細菌(ニトロバクター:Nitrobacter)と呼ばれています。
アンモニアから硝酸への酸化
NH4+ → NO2- → NO3-
ニトロソモナス ニトロバクター
アンモニアから硝酸への酸化
NH4+ → NO2- → NO3-
ニトロソモナス → ニトロバクター
ちなみに大抵の微生物は有機物から栄養分とエネルギーを獲得していますが、硝化細菌のように無機物からエネルギーを獲得している微生物は無機栄養微生物と呼ばれ、動植物から出されたアンモニアを硝酸まで酸化させ、再び動植物が利用しているように自然界では大変重要な役割を担っています。
舶用ディーゼルエンジンの冷却水系統は密閉式であることや温度が高いところで70~80℃になるため系外からの微生物の侵入・繁殖はほとんど起こりませんが、温度に関して例えばセントラルクーリングシステム採用船では、ニトロバクター生存適温近く(30~40℃)になり、ニトロバクターが繁殖できる環境となります。
○ニトロバクター
細胞の大きさ |
幅0.5~0.8μm、長1.0~2.0μm |
形態による分類 |
短桿菌(形が棒状や円筒状の細菌) |
エネルギー源に基づく分類 |
化学合成微生物 |
増殖速度 |
有機栄養細菌に比べて、はるかに遅い。 |
世代交代時間 |
適切な液体培養で約10時間、土壌中では30時間以上。 |